2012年3月23日金曜日

動物愛護法改正について


井本動物病院 院長 井本史夫

今年は、いわゆる動物愛護法が改正される。

一昨年から、環境省中央環境審議会愛護部会動物愛護管理のあり方検討小委員会のメンバーとして25回におよぶ会議に参加した。
今年の主な改正点の中心は、「動物取扱業の適正化」に関するに問題についてである。

主な論点は深夜販売、移動販売、インターネット販売、犬猫幼齢動物の販売日齢、繁殖動物(犬猫)の繁殖年齢や繁殖回数の制限措置、飼養施設、登録制の検討などなど。 
小委員会のまとめは終わり、3月初め現在、法案の行方は民主党に委ねられている。

この法案は議員立法であるが、与党の議員がまとめたあと、野党との協議に入り、合意した後、本会議で可決するという。面倒なことである。 
さて、主たる改正点であるが、第一に夜間展示規制がある。当初は「夜間販売の禁止」について議論をしていたが、販売の禁止からもう一歩踏み込んで夜間展示の禁止となった。展示ができなければ販売もできないだろうということである。しかし、展示となったことによって猫カフェ関係者から異議が出ている。午後8時までだとすると、サラリーマンやOLが仕事終わりに猫カフェに立ち寄ることができないからである。

当初の目的は「夜間販売の禁止」であったから、こういう業態の禁止まで求めてはいなかった。こういうことを法文上でどのように表現するのか、素人の私にはとてもできない。法律文に慣れ親しんでいる政治家と官僚の仕事である。 

動物取扱業の適正化の中で、販売日齢を具体的に明記するかどうかということも検討課題に入っている。しかし、重要なのは販売日齢ではなく、母親から離す日齢であるはずである。動物愛護団体の多くは8週齢を要求している。根拠はヨーロッパの多くの国が8週齢を採用しているからである。

しかし、6週齢以前に母親から離されている現行から、いきなりハードルを高くしても、8週齢が実行されるか疑問である。むしろ母親から離すのを7週齢以降とし、それまでの母子・兄弟間のコミュニケーションを十分にとる飼育を実行させる方がよほど大事ではないだろうか。

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